あてどのない旅へ 5日目

群馬県太田市といえば,受験地理ではおなじみの自動車工業都市ですが,観光で訪れるヒトは少ないと思います。JR線と東武鉄道を乗り継いで太田駅へとやってきました。

市町村別の製造品出荷額(2019年)は,第1位の豊田市を筆頭に,川崎市,市原市,横浜市,倉敷市,大阪市,堺市,神戸市,名古屋市,広島市,“太田市”の順で,堂々の第11位です。

SUBARUの自動車主力工場「群馬製作所本工場」が,駅前からすぐ目の前に見えます。SUBARUの企業城下町です。

工場の駐車場に停まっている自動車は,当然ながらスバル車ばかりです。

この「群馬製作所本工場」の所在地の地名は,群馬県太田市スバル町。常住人口0人。
大阪府池田市ダイハツ町,愛知県豊田市トヨタ町というのもあります。
せっかくですので,工場のまわりを歩いて1周しましたが,30分弱かかりました。

太田駅から再び東武鉄道に乗車し,西小泉駅にやってきました。

群馬県邑楽郡大泉町なのに,町内に存在する駅は,この「西小泉駅」,そして「小泉町駅」,「東小泉駅」の3駅のみで,「大泉駅」がないじゃあないですか!

そう,大泉町はいわゆる“合成地名”です。
地名の付け方としては最低の手段だと思います。

「小泉町」と「大川村」が合併して,それぞれから漢字1字ずつをとって「大泉町」。

なお,西小泉駅の先には,廃線跡を感じさせる空き地がつづいています。
仙石河岸貨物線跡です。

大泉町は日本を代表する“ブラジリアンタウン”です。
街のメインストリート「グリーンロード」。街灯もブラジル色。
日本国内の街並みとは思えません。海外の街を歩いているようです。

やや早めですがランチを。
「RESTAURANT BRASIL(レストラン ブラジル)」にやってきました。

ブラジル料理といえば,定番の“シュラスコ”
最高級部位の「エスぺトン・デ・ピカーニャ」を300g,いっときます。
そして,家庭料理の定番「フェイジョン」も注文しました。

もちろん,このメニューならばアルコールは必須です。
ペルービールの「クスケーニャ」も注文しました。

が,本日より群馬県では中国武漢人工ウイルスの“弱毒化株”オミクロンのPCR陽性者増加により,知事から飲食店での酒類提供禁止が通達されたということで,お水をいただきながら,シュラスコを堪能させていただきました。群馬県知事の科学的知見の低さによって,群馬県の印象は47都道府県中,今の瞬間は最下位となりました。


「フェイジョン」はごはんにかけて食べます。

ブラジルの都市住民の主食は,米と豆です。

街を散策します。

大泉町に住む外国人は,ブラジル人をはじめペルー人など南米系が中心でしたが,近年はネパール,ベトナム,タイ,インドネシア,カンボジア,中国といったアジア系の住民が増加していると,お店のヒトが話してくれました。

国際色豊かなさまざまなお店がある一方で,

日本の街角によくある昭和テイストな雑貨店や薬局も混在しているのがオモシロイですね。

佐藤製薬のマスコットキャラクターが置いてあります。
「ぢ」のノボリも立っております。

街角の看板も,「アジアンレストラン Dream」と「初宮・七五三詣 冠稲荷神社」が並列しています!

エスニック系のスーパーマーケットには,さまざまな国の珍しい商品がたくさん並んでいます。

ココナッツは好きではないのですが,まあ,せっかくなので,ココナッツウォーターを購入してノドを潤します。

「CANTA GALO(宮城商店)」。
ラテン系のコンビニでしょうか。

ピーナツとカボチャのブラジル菓子をおみやげに購入!

「内容量:50g」と表示されていますが,重さを量ってみると,89gありました。
さすがは,おおらかな気質のラテン系!!

味のほうも,おおらかな激甘でした。

日本のなかの外国を堪能した後は,再び東武鉄道に乗車し,館林駅へやってきました。
“鶴”の形をした群馬県の鶴の“頭”の部分にあたります。

本日,2食目のランチです。
駅前の「花山うどん」で,群馬名物「ひもかわうどん」をいただきます。これははずせないですね。

東武鉄道で県境をまたいで,栃木県の足利市へ。

東武鉄道の「足利市駅」とJRの「足利駅」との間には,足尾銅山鉱毒事件で知られるこの渡良瀬川が流れています。

徒歩で橋を渡ります。
「赤城おろし」の強風を存分に体感することができました。

日本最古の学校とされる「足利学校」跡。
教育関係者としては,訪れておきたかった場所です。

JR足利駅からは両毛線で,再度,群馬県に入り桐生駅に向かいます。駅舎のデザイン,なかなかよいです。

桐生駅で下車したのは,上毛電鉄に乗るためです。

北へ5分ほど歩いたところに,上毛電鉄の西桐生駅があります。

700型。西武鉄道からの譲渡車両でしょうか。

上毛電鉄は,広大な関東平野の北西縁,赤城山麓を走るローカル線です。
車窓には時折,関東平野を見下ろす風景が広がります。

桐生-前橋間を結ぶ鉄道は2本あり,ひとつはJR両毛線。伊勢崎を経由するため,南側に大回りします。それに対してこの上毛電鉄は,直線的に両都市を短距離を結びます。ところが,所要時間はJR両毛線の桐生-前橋間が30分強,上毛電鉄の西桐生-前橋中央間が50分強となっています。

これはちょっと,マガマガしい駅名ですね。

自転車の乗り入れ可,です。

ところで,旅をしていていつも思いますが,
北関東の列車の乗客は,ほかの乗客がたくさん乗車してきても,座席をつめるヒトは少ないです。一度座席に座ったら,下車するまでその場を一切動かないヒトが多いです。

終点の中央前橋駅に到着。
駅舎の外観はなかなかキレイですが,駅名の表示が必要以上に大き過ぎませんでしょうか?

南へ10分ほど歩いて,JRの前橋駅に。
日没となりましたが,両毛線で先日訪れた栃木県佐野市へ向かいます。
“佐野グルメ”がもうひとつあります。

東武鉄道の田島駅前の「麵屋 ようすけ」へやってきました。

“佐野ラーメン”です。煮卵トッピング。
麺あげには“平ザル”が使用されていました。麺類に造詣の深い河合塾地理科講師K氏によると,ラーメンの名店の多くは“平ザル”だそうです。
先日いただいた“喜多方ラーメン”とも相通ずるシンプルあっさり系で,高評価です。

“食べ鉄”の1日でした。
本日はここまで。再び宿泊地の宇都宮市に戻ります。

ねっと ちきゅうげきじょう

Earth Theatre Online

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