おはようございます。
始発列車の走行音とともに目覚めることができる秀逸なホテルです。
2022年に中央本線の大月駅の駅裏に建設されました。
低層建築が立ち並ぶ大月の古い街の北側に,壁のように立ちはだかっています。
今日も中央本線に乗ります。
ここは桂川の橋梁を渡る列車の車窓から,河岸段丘がキレイに見えるスポットです。
甲斐大和駅で10分程度停車。
明治36年開業の伝統ある駅です。駅構内をウロつきます。
これは昭和時代からの表示板でしょう。
大日影トンネルを抜けると,甲府盆地がひろがります。
今日は少し曇っているため,眺望はイマイチですね。
山梨県県庁所在地の甲府駅に到着しました。
駅の柱も待合室も,何もかもブドウ色です。
甲府駅から西へひと駅目の竜王駅で下車。
ベタにブドウ色で塗りたくった甲府駅とは異なり,スタイリッシュなデザインです。
駅前のロータリーもスゴイことになっています。
どう見ても,ふつうの駅ではありません。
やはり,
建築家の安藤忠雄の設計でした。
2008年に新たに建て替えられたらしいです。
さて,目的地の「信玄堤公園」まではここから徒歩約25分ですが,現地の探索と復路も含めれば2時間程度炎天下の中を歩くことになりますので,往路はやむなく嫌いなタクシーに乗ります。
釜無川左岸の「信玄堤公園」にやってきました。
信玄堤は,戦国武将の武田信玄がつくったとされる大規模な治水システムです。
ここは釜無川に支流の御勅使(みだい)川が合流するところで,大雨が降るたびに水があふれ甲府盆地に水害をもたらしていました。「石積出し」,「将棋頭」,「聖牛」,「信玄堤」,「霞堤」といった構築物を整備して,独自の治水システムをつくりだしました。
写真は左と右に堤防がありますが,不連続堤を二重に配置した霞堤です。
公園に「聖牛(せいぎゅう)」が展示されています。
河川の水流の勢いを弱め,また,土砂の堆積を促すことによって,堤防の決壊を防ぐための構築物です。
ネーミングがおもしろいですね。
牛の形状に似ていることが名称の由来ですが,戦国時代の甲斐国(現山梨県)にはヒンドゥー教がひろまっていたのではないかと思ってしまうようなネーミングです。
釜無川の河川敷に,聖牛が三匹いました!
ただ,河川に対してあまりにも小さく,治水にどれだけ役にたったのかは疑問が残ります。
合流する支流の御勅使川の水流をぶつけて水勢を弱める役割を担っていたという「高岩(たかいわ)」を見に行こうと川沿いの道を進むと,落石危険ということで,なんと通行止!
石が落ちてきたら,うまくかわすので,通らせてほしいのですが。
「高岩」の見学はあきらめて,近くに赤坂台総合公園(ドラゴンパーク)の展望台があるということで,炎天下ではありますが,高台の上まで登ってきました。
写真の中央付近で,右(北)から流下する釜無川に,奥(西)から支流の御勅使川が合流していますが,ここからの眺望では全然わからず,何のこっちゃウーロン茶ですね。
反対方向には甲府盆地がひろがり,それが一望できます。雲がなければ,当然,富士山も見えます。雨上がりなどで空気が澄んでいれば,もっとすばらしい眺めでしょう。
竜王駅まで戻ります。
徒歩しか移動手段はありません。
甲州街道を進みますが,下り坂であったため,熱中症になることは免れました。
!!
中央本線の踏切が見えてきました。
近くに鉄道さえあれば,行き倒れになることはありません。
ようやく竜王駅に戻ってきました。
再び中央本線に乗って西へ向かいます。
むむっ。
あれ? ここは竜王駅ではない!?
危うく,壁を通り抜けて魔法界に引きずり込まれるところでした。
安藤忠雄が設計した竜王駅から
再び中央本線に乗って西へ向かいます。
ここから列車は釜無川左岸に沿って走り,標高を上げてゆきます。このあたりでも車窓から河岸段丘を眺めることができます。
韮崎駅に到着。
ホームから関東山地の山々が一望できます。
そして,山梨県から長野県へ入り2つ目の駅,「富士見駅」にやってきました。標高955mの中央本線最高所の駅です。
目的は“麺鉄”です。
意外にも,富士見駅には立ち食いそばのお店があります!
名物「入笠生そば」を提供する「丸政そば」の富士見店が駅舎に併設されています。
「丸政そば」は,山梨県・長野県に駅そば店5店舗をもつ地元資本の会社です。このような地元資本の駅そば店はどんどんなくなってきており,今ではとても貴重な存在です。
駅の待合室で食べることができます。
「山賊そば」をいただきます。
信州そばに,長野県中信地方のご当地グルメ「山賊焼」がのっています。
シンプルにウマい!! 近所にあれば,毎日通いますね。
富士見駅からは引き返して南に向かいます。
小海線が分岐する小淵沢駅。
旅行者には印象に残る
個性ある雰囲気が漂う独特の駅です。
甲府駅で身延線に乗り換えて,特急「ふじかわ」で富士駅を目指します。
約1時間かけて,中間地点の身延駅に到着。
特急ながら山岳区間の表定速度は50km/時程度で,ゆっくりと走ります。
小1時間ほどで,身延線は山岳区間から太平洋側の静岡県の平野部に出て,列車は富士宮市にある富士山本宮浅間大社の「一の鳥居」の南側を通って富士駅に向かいます。
雲がかかっていなければ,車窓からは鳥居の右側にキレイな富士山が見えるのですが,やはり“富士山運”がよくないため,本日は富士のすそ野がわずかに見えるのみです。
富士駅から東海道本線をひと駅東,吉原駅。
夕暮れが近づいてきましたが,本日最後は「岳南電車」に乗ります。仕事帰りの寄り道のエピローグにふさわしいシブい駅舎のお出迎え。
「全線1日フリー乗車券」を購入。
硬券に改札鋏を入れてくれます。
早速,”かぶりつき”※ます。
吉原駅を出ると,吉原の中心市街地を通った後,工場地帯へと入ってゆきます。
※【鉄道用語】かぶりつき:列車の車両先頭付近に乗って,前方の景色などを熱心に眺めること。
4駅目の「岳南原田駅」に降り立ちました。
目的は,本日2軒目の“麺鉄”です。
とてもレトロで味わい深い駅舎には,そば・うどん店「めん太郎」が併設されています。
閉店時間が近かったため,トッピングの天ぷらは,アジ天とイカ天しか残っていませんでした。イカはあまり好きではないので,「アジ天うどん」を注文!
濃いめの出汁に浸かった肉厚のアジの天ぷらと中太麺の相性がよいですね。
アジの天ぷらうどんなんて,これまで食する機会はなく,まさに残り福でした。
岳南電車は,全駅から富士山が望めるのがウリですが,今日はどこからも全く見えません。“富士山運”が悪いんです。
工場への引込線の跡が残っています。
貨物輸送の全盛期には,引込線や専用線の総延長が本線の総延長を上回っていたそうです。2012年に貨物列車は廃止されました。
岳南原田駅から再び乗車し,終点の岳南江尾駅へ向かいます。
“工場萌え”の車窓風景が
次々と現れます。
ここは再生紙の工場でしょうか。
吉原駅から岳南江尾駅までは約21分。
住宅街のなかに終着駅があります。
ここから東の沼津方面への延伸計画もあったようです。
夏の終わりを感じさせる
夕暮れの終着駅です。
引き返して,本吉原駅へ向かいます。
工場を背景に,岳南電車を象徴するたたずまいの駅です。
高度経済成長期の頃から変わってなさそうです。
駅前には本社社屋があります。旧社名「岳南鉄道」のままの表示となっています。
吉原の中心市街地からはバスで新富士駅へ。
東海道新幹線の駅では,ほかの鉄道路線とつながっていない唯一の駅です。
鉄道での旅行者にとっては,ほんとうに不便な新幹線駅だということを実感します。
売店で「サッポロビール」から発売されている「静岡麦酒」を購入!
おつまみは,ムスメっ子絶賛の「まぐろ甲州煮」。
うちのムスメっ子は,幼児の頃から酒のおつまみとして美味しい食べモノはだいたい大好物で,まちがいなく酒飲み女になります。
充実の仕事帰りの寄り道でした!
ありがとうございました。
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