常識的現実逃避の一日

おはようございます。

せっかくの逃亡先ですので,今朝はホテルのビュッフェでゆったりと朝食をとります。
昨年,新築オープンした富山駅前にあるホテルですが,宿泊料金が高騰するなか,朝食付きで1泊1万円程度です。新築の同レベルのホテルで東京銀座なら3倍は下らないと思います。地方都市の魅力のひとつです。

さすがは富山,名物「ます寿司」が食べ放題!

そしてうれしいことに,ホタルイカなどほかの富山名物も食べられます。

いつもながら,ビュッフェではついついカレーを食べてしまいます。

奥にはシェフのようなヒトがいて,たいがいはその場で調理した料理を提供してくれるのですが,何やらネギのようなものを刻んでいるだけで,単なる雰囲気演出のための存在

かと思いきや,
絶品のたまごかけごはんを調理してくれます。

温泉たまご風なのですが,
お箸で割ると,

こうなります!

コンパクトシティ化を進める富山市は,人口40万人ながら街にはとても活気があります。
そのひとつの要因が,路面電車が走っていることだと思います。

富山駅は連続立体交差事業で高架化されたため,北側の富山ライトレール線と南側の市内電車が高架下の新駅で接続され,さらに北陸新幹線やJR高山本線,あいの風とやま鉄道との乗り換えもスムーズにできるようになっています。自動車に乗るのではなく,街中をヒトが歩いていることが,街に活気を与えています。

さて,北陸新幹線で東に向かいます。

「現実逃避」をして逃亡してはいるものの,自分の場合は,非常識人が集積する予備校業界においては極めて常識的な人間ですので,完全な現実逃避はできません。

本日は,最近よく耳にするワ―ケーション(Workcation)をやってみたいと思います。Work(仕事)とVacation(休暇)を組み合わせた造語です。

とりあえず,味気のない新幹線内では仕事をしますかね。

とはいえ,ほんとうに味気のない東海道新幹線とは異なり,北陸新幹線は車窓も少し気になります。

黒部川扇状地を通過中!
河合塾の論述クラスでは,先日,テキストでこの地域の設問を解説しました。
写真のとおり,黒部川扇状地は海に直接面しています。三角州ではない証拠は,このように緩やかな傾斜があることです。三角州ならほぼ平らです。
地理は,行けば,すべてわかる!

糸魚川駅に到着。
糸魚川・静岡構造線も,復習しておいて下さい。

上越妙高駅からは特急「しらゆき」に乗車,えちごトキめき鉄道,信越本線でさらに東へ。

車内では,Work(仕事)。

日本海沿岸を鉄道で移動しながらのワ―ケーション(Workcation)は,

なかなか風趣なものです。

日本最長の河川,信濃川を渡ると,まもなく長岡駅です。

長岡駅は昭和時代末期の風格のある駅です。

お昼ごはんは,長岡B級グルメ「洋風カツ丼」にします。
シャッター通りながら「レストランナカタ」には,行列ができていました。

近畿圏と異なり地方圏では飲食店の待ち時間が長いのが一般的ですが,このお店は客さばきの効率がよく,行列にもかかわらず,比較的短時間でお昼ごはんにありつけました。

カツカレー(5辛)と洋風カツ丼の「ハーフ&ハーフ」を注文。
洋風カツ丼のソースは甘味と酸味があり,これまで食べたことのない独特なものですね。
それにしても,5辛のカレーの辛さは,一般のカレーよりも甘口のような。。。 長岡のヒトは辛さに弱いのかもしれません。

長岡駅から上越線で小出駅へ。

ここからは,Vacation(休暇)を楽しみます。
只見線全線完乗の旅へ。

かつて,只見線乗車のためにここを訪れた際,この小出駅まで来たところで雪のため列車は運休となり,泣く泣く引き返したという苦い経験があります。
その後,2011年の大雨による橋梁流失などで,只見線は長期間にわたって部分運転となっていましたが,ようやく昨年10月に,一部区間は上下分離方式ながら全区間の運転が再開されました。

小出駅から会津若松駅まで135.2km,所要時間は4時間強です。

車窓には,魚沼産コシヒカリの水田風景がつづきます。

山岳地帯の豊富な雪解け水が,水田の灌漑用水となります。いわゆる「白いダム」です。河合塾の論述クラスでは,次回のテキストの設問で出てきます。

豪雪地帯の家屋です。
積雪に対する工夫がほどこされています。

この季節の山岳ローカル線は,みどりがとてもキレイで癒されます。

2両編成の列車内は,地元のお年寄り,老夫婦の旅行者,高齢化した鉄道マニアなど,20名程度が乗車しています。

そこへなんと!
途中駅から,添乗員付きツアー旅行客が20名ほど乗り込んできました。当然,全員が老人です。列車は“養老鉄道”と化し,人口の高齢化という日本社会の“現実”を目の当たりにする旅となりました。

ただ,ありがたいことに,3駅目で添乗員付きツアー旅行客は降車。観光バスが駅に先回りして待機しているのでしょう。辛うじて,みどりの車窓風景に癒される環境を取り戻すことができました。

只見駅に到着。
ここからさらにゆったりと,ローカル線の旅を楽しみたいと思います!

ところが,
そこへなんと!
添乗員付きツアー旅行客第2弾が!!
今度ははるかに50名は超えるような大集団が,なだれ込んできたではありませんか。当然,全員が老人です。列車は天国行き“養老鉄道養老線”と化しました。車内の高齢化率は90%を超えていると推定されます。地理では高齢化率50%以上の集落を限界集落といいます。

今度は,おまけに観光案内ボランティア付きで,一般客も強制的に観光案内を聞かされることに。

旅行会社は,ふつうなら貸切列車を使うべきところですが,中国武漢人工ウイルス禍で経営が厳しく,ドル箱老人市場で経費削減をはかっているのであろうと推定できます。

とはいえ,こういう予期しない出来事が起こるのが,旅の楽しいところでもあります。

観光案内ボランティアの方の老人相手のトークは,なかなかハイレベルでした。

車窓からの農山村風景。模型のようです。

大雨で流失した橋梁は,真新しいトラス橋に架け替えられています。

会津川口駅に到着。
只見川のほとりにホームがあります。

ここで,添乗員付きツアー旅行客たちは降車し,観光バスのなかに吸い込まれてゆきました。

落ち着いた車内環境で,列車は進行します。

会津盆地を会津若松駅をめざして走ります。まもなく終点です。
只見線の旅は,いろいろな意味で変化に富んだ4時間強でしたので,実際の時間よりもとても短く感じました。

会津若松駅からは,磐越西線で郡山駅へ。車内では,Work(仕事)に切り替えます。
快速「あいづ」で約1時間。
磐梯山がキレイに見えます。

郡山駅からは,みどりの新幹線に乗車しますが,新幹線には癒し効果はほとんどありません。
Work × Drinkモードで帰路につきます。

ありがとうございました。

ねっと ちきゅうげきじょう

Earth Theatre Online

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