わたくしがかつて講義内で,地歴公民科目の「対面授業」形態はすでに“オワコン”だと宣言したのは,いつのことだったでしょうか? かれこれ10年以上は経っていると思います。にもかかわらず,いまだに「対面授業」形態が主流であり,かつニーズがあることに戸惑いさえ感じます。
これはティーンエイジャーの受講生が望んでいるのではなく,予備校・塾に通わせている親世代が脳内アップデートできないことに原因があるのだと思います。授業というのは,対面形態でないとやはりダメなんだ,と思い込んでいる親世代が多いのですが,以下のとおり,対面授業の優位性は,ほとんどなくなっています。
中国武漢人工ウイルス禍によって,動画授業が増加し対面授業は減少したうえ,本来の「対面授業」は講師と受講生との双方向コミュニケーションによってはじめて成立するのですが,いまだにアホみたいにマスクをつけている講師がいるように,対面授業としてのメリットがない対面授業が垂れ流されるようになりました。
その結果,当然ながら,受講生も「動画授業」と同じ作法で「対面授業」を受けるようになり,マスクをつけた覆面講師が,“鉄仮面”のような表情の受講生に一方的に情報を伝えるだけで,対面授業の優位性は失われました。とくに,エンターテイメント性の高い地歴公民科目の「対面授業」は,もはや伝統芸能・古典芸能と化し,受講する際の作法がわかっていなければ,十分に楽しめなくなっています。歌舞伎や能と同じです。
歌舞伎や能を鑑賞する際には,事前に予備知識や作法を知っておかなければ,十分に楽しむことができません。カンのよい受講生はこのことに気づき,「対面授業」の優位性を享受し楽しんでいるヒトも少なからず存在しています。一方で,鈍感な受講生は「動画授業」と同じ感覚の“鉄仮面”スタイルで受講しているため,おもしろみもメリットもありません。
地歴公民科目の「対面授業」は,もはや伝統芸能。
受講する側に予備知識や作法が必要なほど,古典と化しています。
「動画授業」でもなく,「対面授業」でもない新しい形態が必要です。
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