先日の宮崎県日向灘を震源とする地震を受けて,「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」なるものを,気象庁が発表したそうです。
なお,ギャンブルに造詣の深い河合塾地理科講師K氏は,地震発生時,宮崎市内でパチンコを打っており,パチンコ台が激しく振動して大当たりがきた! と一瞬大喜びをしたそうです。よって無事でした。
ところで,気象庁は「巨大地震が発生する可能性が高まった」などとうそぶいておりますが,こんな主観的なことは言うだけなら素人でも誰でも言えます。日本社会全体に影響を及ぼす内容を発表するならば,同時に客観的なデータを示す必要があります。
現在の科学技術のレベルでは,地震発生の予知はできません。
プレートはあまりにもスケールが大き過ぎて,内部の精緻な観測ができません。地面の中を地下200kmくらいまで,CTスキャンように精緻な観測ができる技術が確立されてはじめて,「巨大地震が発生する可能性が高まった」と発表することが許されます。
オールドメディアのテレビと新聞の見出ししか見ていない情報弱者のオッサン,オバハン,オジン,オバンは,地理受講生があたりまえのように知っている地形環境に関する知見に極めて乏しく,また,地球のスケールの大きさを全く理解していません。したがって,1週間以内にほんとうに巨大地震が起こると信じるヒトも存在し,例えば,営業している海水遊泳場などがあれば非難の対象とします。脳は石灰化していますが,苦情をいうアゴの筋肉だけは発達しています。これを避けるために,保身を図るコトナカレ主義の責任者のオッサンが海水遊泳場を閉鎖し,夏休みを楽しむはずの若年層の人々の活動が奪われます。
気象庁は,科学的観測とそれによって得られた客観的なデータを正確に国民に公表するための機関であり,反社会的で非科学的主観的情報を発信する権限はないはずです。
結局,「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」って,いったい何に注意するのでしょうか? 日本列島はいつでもどこでも巨大地震が発生する可能性があります。
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